大阪の轢き逃げ事件に思ふ

なんで逃げるのか。
危険運転致死傷罪は15年以下の懲役で非常に重い。
だから、酒気帯びだつたら、酔ひが抜けた後に出頭した方が罪が軽くなるなんて話も耳にする。
つまり、この罪は重すぎるんぢやないかと。
確かに、引き起こす結果は重大で、刑も相当かなとも思ふのだが。
難しい話だ。今回のやうに、真夜中や早朝で人気がなかつたら
重い刑にびびつて逃げてしまはうといふ心理が働く事は想像できる。
さういふ心理を働かせるところに、この条項の瑕疵はないか。


ただ、今回の犯人は、殺人容疑などで逮捕された。
殺人罪も適用されるといふ前例は逃げることのリスクが高まる事を意味するだらう。
あと、この期に及んで無免許+酒気帯びとか確実に損な組み合はせで運転しちやふ奴はなんなのか。
タクシーや代行使つた方が数倍「得」なんだよ、明らかに。事の起こる確率と事の引き起こす結果
の重大性、とタクシーの代金との比較。その損得を比べてみると、だ。
かういふ、損得の計算ができない輩は非常に危険で、こんな前例も関係なく、
下手したら殺人といふ恐怖も頭をよぎらないなんて可能性もあるんだよなあ。


しかし、犯人もあはれな程に愚かだ。アサヒ・コムによれば、
3年前、19歳で両親に宜しくと伝へられて、鳶として就職したさうだ。
社長の曰く、「あの年頃の普通の子だった。遅刻を除けばまじめにやっていた」。
3年も仕事を継続できて、技術も上がつていつたのに、こりや残念な他ないよ、
関係者からしたら。ちよつと考へが到らなかつたばかりに、この結果。


ところで、
社会的気運か、法改正の効果かどうか、ここのところ事故は減つてゐるやうだ。
参考 http://itdb.kotsu-anzen.jp/index.html
例へば、全国の死亡事故なら、
平成14年が8000件弱で、18年が約6000件と3/4まで落ちてゐる。
車の数が減つてゐるつてのもあるかもしれないけど、それでも状況は好転してゐると思ふ。
愚かなる事故が更に減ることを祈る。