文化の日は宜しく廃止すべし

文化の日は旧明治節即ち明治天皇の誕生日だつたわけだが、3代前の天皇誕生日をいつまでも保存しておくのは良くない。明治天皇以降の血統の特別化を鞏固にしうるから。そして、皇位継承問題唯一最良の解決策である旧宮家皇籍復帰を妨げてゐる気がするから。旧宮家皇籍復帰はほとんど国民の支持を得られてゐないが、それは国民が今の系統に非常な愛着を持ちすぎてゐるからでないかと思ふ。室町時代に分かれた伏見宮系の一般人なんて今更受け入れられないといふ思ひはあらう。400年前の遠い一般人よりも、女子だけど今上天皇の孫、昭和天皇の曾孫であるやうな愛子殿下の方がよい、といふ感情を持つのは理解できる。まあ、主権の存する国民がさう思ひ、将来さうするのは仕方ないと思ふのだけれど、さうさせたくないなら、何か手を打たないと確実に1500年続いた皇統は終はる。後花園天皇(1419-1471)−明治天皇の系統は特別ではないこと、貞常親王(1426-1474:4代伏見宮)の系統は後花園系と同等に皇位継承権を有してゐるべきであること、これらの周知がもう少しできたらいいのだが。そのためには、そろそろ明治天皇の特別視をやめたらいかがですかといふのが、文化の日廃止をした方がよい、といふ意図。保守派の方々にはこれをよくよく検討してもらひたい。

また、明治時代と「文化」を結びつけるのも、奇妙な話だ。なぜなら、文明開化以後の文化こそが日本の文化あれ、といつてゐるやうな印象を受けるから。日本の文化をいふのならば、遣唐使廃止から文化文政の頃までに、日本が独自に築きあげたものこそ誇るべきなのではと思ふ。「日本の」文化を語るなら、明治節は寧ろ不適当な気がするぞ。