中選挙区制に戻さうといふ議論

中選挙区制に戻さうといふ議論をちよくちよく耳にする。今日も産経新聞石原慎太郎がこんな事を書いてゐた。
http://sankei.jp.msn.com/politics/election/090907/elc0909070321000-n3.htm

それにしても今行われている小選挙区制度というのは弊害が多すぎる。
(中略)
政権交代の是非といったオールオア・ナッシグの選択ではなしに、選挙も通じてより具体性のある、かつ幅の広い討論が行われるためには二大政党ではなしに、ドイツのように三つの政党が存在しその連立が三通りに行われるような態様が望ましいと思われる。

成程。私は二大政党制が日本の取るべき道だと信じてゐたけど、それは共産党公明党のやうなどうでもいいノイズみたいな政党を排除するといふ期待のみであつたやうに思ふ。しかし、二大政党制が進んだとしても、現状の民主党自民党のやうな、とても一つの政党としてまとまり得ない雑多な思想の集まりのまま移つてしまふのはやめて欲しい。せめて旧来の保守と革新、また経済政策における政府の介入の大小といつた対立わかりやすい対立が見える政党で二つになつてくれればいいのだけれど。さうなれないのであれば、中選挙区制復活も悪くないか。なんとなく。確かに「オール・オア・ナッシング」は非道い。前回の小泉も今回の民主党も。前回は「小泉自民党だから」、今回は「自民党ぢやないもう一つの大政党」だからといふ選択に他ならなかつたわけで、もうちよつと政策的対立が見られればよかつた。